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吉田人権会館だより「みおつくし」 2018年8月号

会館だより「みおつくし」を発行しました。(2018年8月)

戸籍や住民票など私たちの個人情報が売買の対象に…。

他人事ではありません…。

(画像をクリックするとPDFファイルが見ることができます。)

人権会館だより_隣保館だより_表紙

人権会館だより_隣保館だより_特集

人権だより_隣保館だより_裏表紙

 

「みおつくし」に対するご意見・ご感想、、情報など、市民のみなさまからの声をお待ちしております。

お問合わせ先   0826-42-2826

       

 

【関連項目】

あなたの個人情報誰が守る!?
~安芸高田市『登録型本人通知制度』7月から開始~

 

一体、誰が、何のために―
そこには〝差別〟という
人間社会の暗い闇が見え隠れする―

 

本年度、本市の人権啓発連続講座で第1回目の講師を務める、山口県人権啓発センター事務局長の川口泰司さんが、2013年に『アファーマティブやまぐち21』に寄稿した記事からプライム事件の概要と、本市が7月から制度を開始した登録型本人通知制度との関係を明らかにする。


川口 泰司(かわぐち やすし)
中学時代、同和教育に本気で向き合う教師との出会いがきっかけとなり、解放運動に取り組むようになる。

その後、大阪学生部落解放連絡協議会 事務局長を務め、現在、(一社)山口県人権啓発センター事務局長。
自分の言葉で、エネルギッシュに語りかける講演は、世代を超えて共感を呼んでいる。


2011年11月、東京都内の「プライム総合法務事務所」社長、同社の司法書士、元弁護士、横浜の探偵社社長、京都のグラフィックデザイナーら5人が逮捕された。
プライムの社長は、横浜の探偵社からの依頼にもとづき、同社所属の司法書士の名義(偽造した「職務上請求書」)を使い、3年間で1万件を超える戸籍・住民票を全国の自治体から不正取得し、プライムの社長と横浜・探偵社社長らは3年間で2億3500万円を稼いでいた。プライム事件はその後、名古屋地裁で裁判がおこなわれ、地裁はプライムの社長に懲役3年の実刑、横浜の探偵社社長に懲役2年6月の実刑、司法書士に罰金250万円、元弁護士に懲役2年(執行猶予4年)、グラフィックデザイナーに懲役1年6月(執行猶予3年)を言い渡した。今回の戸籍不正取得事件の特徴は、その数の多さと手口の巧妙さにある。「職務上請求書」を2万枚も偽造し、司法書士がプライムに名義貸しを行い全国で1万件にも及ぶ戸籍謄本等の不正取得をおこなったことである。↓
1万6千字あまり14ページに及ぶ川口さんの寄稿した記事は『プライム事件』について詳細に触れてある。全文を掲載するには紙面が不足しており、残念ながらみなさんにすべてをお伝えすることができない。よって端的に、要点を絞って私たちの個人情報が一歩間違えばどのように扱われているのかをお伝えしようと思う。

職務上請求書を偽造して容易に不正取得を行ったのが、このプライム事件が多くの情報を集めることに成功した要因である。川口さんの記事の中ではこうある。

 

プライム社の司法書士は、逮捕時はタクシーの運転手をしていた。公判では「資格を取って事務所を開いたが、お客がこないので、3ヶ月で事務所をたたんでタクシーの運転手になった」と語っている。その後、「司法書士求む」という新聞広告に応じてプライム社に面接に行くと「ハンコと業界の申請書を渡してくれれば月35万円払う。会社には来なくていい」と言われ、実際にプライム社での勤務実態はなかった。プライム社社長らは、その司法書士の名義を使用し、不正取得を繰り返していた。

 

組織的かつ大規模な情報入手経路を持っていたことも事件の大きさを物語る。

その中心的存在として〝情報屋〟の存在を抜きにはこの事件は語ることができない。記事の中にはこう書いてある。

 

(プライムの関係者が逮捕された後の)2012年9月、中心的存在である名古屋の情報屋(調査会社)代表ら3人が逮捕された。情報屋とは、探偵社に個人情報を売買する、いわゆる個人情報の「仲介業者」である。全国の探偵社などから注文を受け、司法書士や行政書士、企業や行政の内部協力者から個人情報を不正取得し、各地の探偵社に売買していた。まず、①依頼者が知りたい人物の身元調査をA探偵社に依頼する。②A探偵社が名古屋の「情報屋(調査会社)」へ注文。③「情報屋」が横浜のB探偵社へ依頼。⑤横浜のB探偵社はプライム(司法書士名義)を通じて、全国の市区町村窓口から戸籍・住民票を取る。(情報屋は)5年間で12億7000万円を儲けていた。(中略)このように「取れない情報はない」といわれるほどの個人情報不正ビジネスが構築されていた。現在でも、各地の探偵社のホームページ上には、「携帯番号調査」「固定電話番号調査」「銀行口座調査」「サラ金調査」「借金調査」「勤務先・職歴調査」「自動車ナンバー調査」「住民票・戸籍謄本の取得」「不動産調査」「郵便物の転送先調査」「住所・生年月日・号室番号調査」「無料電番号検索」などの調査項目が書かれている。「不動産調査」、「郵便物の転送先調査」については、今回のプライム事件では発覚しておらず、不動産関係者や郵便事業者に内部協力者がいる可能性が高い。闇の個人情報ビジネスの根深さを痛感させられる。

 

摘発された内部協力者の多くは不安定雇用労働者だったことや、群馬県のC探偵社を介した「群馬ルート」の存在、個人情報が保護が強化される歴史など詳細に記述があるがここでは割愛する。
問題は、この情報化社会の中で、私たちの大切な個人情報が不当かつ不正に利用されないためにも対策を立てなければならないことだ。
その一つとして「登録型本人通知制度」の有効性を川口さんは説く。 本市においても「登録型本人通知制度」が7月から開始された。記事でも、この制度が不正取得の防止と抑止に効果があると次のように書かれている。

 

(中略)次に、戸籍の不正取得を防止するための登録型「本人通知」制度の導入についてである。そもそも自分の戸籍が不正取得され、結婚差別や就職差別などの人権侵害や犯罪に利用された後に、被害告知をされても、もう遅い。そのため、事前に不正を発見し、不正取得をさせない仕組みが必要である。そこで不正取得の防止に有効な方法として、他人が自分の戸籍や住民票をとった場合に、自治体が本人に知らせる「本人通知」制度という方法がある。これならば、頼んでもいない委任状や、身に覚えのない行政書士や司法書士などからの請求であれば、不正であるとすぐに分かる。また、不正取得する側は、市民の誰が登録しているか分からないので、不正が発覚するリスクが高くなり、不正取得の抑止力にもなる。実際に、群馬ルートの主犯核である東京・SRC代表や名古屋の情報屋らは、公判で「本人通知制度を導入している自治体からは戸籍や住民票は取るな」「お客から依頼があっても断れ」と指示を出していたことがわかった。また、昨年7月には、埼玉県の住民が登録型「本人通知」制度によって不正が発覚し、鹿児島県内の探偵社、行政書士、東京の情報屋らが逮捕されている。

自治体が積極的に市民の個人情報を守る施策を行うべきだと記事では提言がされているが、ここでは紙面の都合上割愛する。本市ではようやく「登録型本人通知制度」が始まったばかりである。まずは、この制度をより広く市民のみなさんへ周知し、市民一人ひとりが自らの個人情報を守る行動を推進していきたい。とはいえ記事の中では、〝登録型〟ではなく。主体的に全市民を対象に本人通知制度を実施している長野県松本市の取り組みも紹介されている。
まだまだ、自治体が行うべき対策は大いにある―。
また、記事ではこのプライム事件が氷山の一角であり、日本全国にはプライムや情報屋のように個人情報を売買する輩が後を絶たない事に警鐘を鳴らしている。そして、プライムや情報屋の行いがビジネスとして成立していた背景には差別の問題があると記事を結ぶ。


プライムの社長は、公判で「依頼の85%から90%は、結婚相手の身元調査と浮気調査だった」と証言しており、不正取得された戸籍・住民票が差別的な身元調査に使わされた可能性がある。また、横浜の探偵社社長は2007年に三重の戸籍不正取得事件で行政指導を受けたにも関わらず、その後もプライム社を通して、不正取得を繰り返していた。前回の事件で探偵社社長は500件のうち「半数は結婚相手の身元調査だった」と述べている。(中略)名古屋地裁で開かれたプライム社の社長は悪びれた様子もなく「うちは全国の3分の1くらいやっていただろう」と証言した。その後、摘発された群馬ルート・東京SRCが2万件の不正取得をおこなっており、プライム社と合わせると、この数年間で3万件もの戸籍・住民票が全国の自治体から不正取得されている。「依頼の半分が結婚相手の身元調査」としても、1万5千件が、結婚調査に利用されていることになる。結婚における根強い身元調査の実態が明らかとなった。
2009年の「山口県人権意識調査」では、同和問題に関する問題点として「偏見が残っている」56%、「結婚問題で周囲が反対する」28%であった。結婚問題の根深さは各地の意識調査の結果を見ても明らかである。結婚での身元調査に関して「身元調査は、現在でもある程度は必要なことと思う」42・6%(福岡県2001年)、「当然」「感じはよくないが必要だ」合計43・7%(三重県2004年)と、半数近くの人が結婚に際しての身元調査を肯定している。
結婚相手の気になることでは、「相手が同地区出身かどうか」20・1%(大阪府2005年)、「子どもの結婚相手が同和地区出身かどうか」23・9%(兵庫県尼崎市2007年)に達している。
また、結婚相談所を対象にした調査(2003年大阪)では、結婚がまとまらなかった要因として「部落出身」9%、「家柄」8%、「家族に障がい者」6%、「国籍・民族」5%であった。しかも、それらすべてが親族から反対され「結果的に交際を断念」している。(中略)
このように、市民のなかに部落を忌避する差別意識があるからこそ、身元調査の依頼をする市民がいて、次々と巧妙な手口で、戸籍の不正取得が繰り返される。身元調査の規制と同時に、市民の差別意識の払拭が求められており、そのために、学校、地域、職場などあらゆる場において人権教育・啓発のさらなる充実に取り組んでいかなければいけない。

『アファーマティブやまぐち21 2013/第8号』(2013・4)

https://y-keihatsu.jp/puraimujike/(一般社団法人山口県人権啓発センターHP)

 


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