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美土里町の神楽

神楽のはじまり
神楽とは、神座(かむくら)に神を招き、神の力を招き鎮めることによって、生命力を高めようとする儀式、神と人とが共に享楽することによって神の力を得ようとする神人和楽の(しんじんわらく)の神事です。
その起源は、紀記説話の中の「天岩戸(あまのいわと)伝説」にまで遡るともいわれます。「天岩戸伝説」とは、太陽の女神天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸の中に籠ってしまわれたとき、これを引き出すべく神々が協議して、天鈿女命(あまのうずめのみこと)が岩戸の前で乱舞しました。これがあまりに滑稽だったので、外の神々は大騒ぎとなり、不審に思った天照大神が岩戸をそっと開けました。その時とばかりに手力男命(たちからおのみこと)が岩戸をこじあけて、女神を外に連れ出したというあの有名な神話ですが、この天鈿女命がおこなった乱舞こそ、神楽の起源だというのです。すなわち、1年のうちで最も太陽の力が弱まる時期に、その太陽の再来と生命の再生を願って神威を招き迎え、生命力の強化を祈願した鎮魂の儀式が、神楽の起源です。

神楽と人々の暮らし
神楽は、米の収穫期にあわせた自然や神に対する感謝の祭りであると同時に、人々にとっては年に1度のハレの舞台でもありました。1年の苦労から開放されて、ともに生きる喜びをわかちあう祭りでもあったのです。
また、氏神社を中心に神楽団を組み、神職ではなく氏子自身が神楽を舞う美土里地域の神楽の形態は、その集団内の連帯と共同意識を高める役割も担っていました。美土里町では、いまでもこの氏神社を中心とした共生社会が、神楽を軸に根づいており、人間らしい助け合いを可能にする社会の基礎を形づくっているのです。

美土里町の神楽
全国各地に、さまざまな形の神楽が伝えられているなかで、美土里町の神楽は、出雲流神楽(神の降臨を願うのに必要な儀式的な手続きを神楽に仕立てた「儀式舞」と、降臨を願った神を慰めるために神の威徳を褒めたたえる内容を劇化した「能舞」からなる)が石見神楽を経て、江戸期にこの地域に伝えられたと考えられます。また、その過程で、九州の八幡系の神楽や高千穂神楽・備中神楽、さらに中国山地一帯に古くから伝わる農民信仰などの影響を受けて現在の形態になったといわれています。その特徴は、演劇性が強いという点で、極めて大衆的でのびのびとした民俗芸能に発展しました。現在では13の神楽団が残り共にその技を磨いています。美土里町では、この大衆化が、人々の神社・神に対する信仰心をつなぎ止める大きな役割を果たしているといえます。美土里町の神楽には、劇化の進展のなかにも、神人和楽という神楽の原点が息づいているのです。

13神楽団(13の技、13の饗宴)
美土里町では、現在でも、地区の氏神社ごとに神楽団が編成されており、各社の例祭はこの神楽団を中心にして氏子たちが総出で行ないます。周辺町村と比べても際立っている13神楽団という数は、美土里町でいまなお昔ながらの地域社会が機能していることを物語っています。また、毎年秋には、13すべての神楽団が集いその技を競い合う共演大会が開かれ、町民あげての一大イベントとして地域に定着しています。

昭和29年4月23日
「青神楽の神迎え」広島県無形民俗文化財に指定される
「桑田神楽の神降し」広島県無形民俗文化財に指定される

昭和54年3月26日
「津間八幡神楽」広島県無形民俗文化財に指定される
「西尾山八幡神楽」広島県無形民俗文化財に指定される
「川角山八幡神楽」広島県無形民俗文化財に指定される

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